β-ラクトグロブリンとラクトースの褐変反応物の抗原性に関する研究:25-107および108-145域のアルギニン残基での切断により生じるペプチドの抗原活性
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概要
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β-ラクトグロブリンとラクトースの褐変反応物(Lac-β-Lg)の調製時にβ-ラクトグロブリン自体の熱変性により形成された抗原決定部位の位置を知る目的から,TPCK-トリブシン処理したマレイル化ペプチド25-107および108-145よりペプチド25質40,41-107,108-124および125-145を単離し,それらペプチドと抗Lac-β-Lg血清との反応性を調べた.ペプチド25-40と41-107の混合物は,S-カルボキシメチル化β-ラクトグロプリンと抗Lac-β-Lg血清の定量沈降反恋を57%阻害し,同反応系におけるペプチド25-107の阻害活性(58%)とほぼ同じ活性を示した.同様に,ペプチド108-124と125-145の混合物の阻害活性は31%であり,ペプチド108-145の阻害活性(32%)に近い値を示した.また,岡じ反応系における各単独ペプチドの阻害性は,25-40では2%,41-107では56%,108-124では2%,125-145では28%であった.さらに,酵素免疫測定法においてもペプチド41-107と125-145にLac-β-Lgに対するIgG抗体との反応性が認められたが,ペプチド25-40と108-124には反応性は認められなかった.これらの結果より,Lac-β-Lgの調製時にβ-ラクトグロブリン自体の熱変性により形成された抗原決定部位にβ-ラクトグロブリンの一次構造上40番目と124番目のアルギニン残基は含まれず,かつ,25-145域に位置する抗原決定部位は,41-107域と125-145域に存在するものと考えられる.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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