大麦の多給および煮沸処理がめん羊第四胃内へのでんぷん移行量におよぼす影響

概要

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大麦:粗飼料比を変えた場合と,そのうち大麦を煮沸した場合の第一胃内発酵と第四胃内へのでんぷん移行率を調べた,第一胃と第四胃にフィステルを付けた去勢成めん羊に,ひきわり大麦:アルファルファヘイキュープ=50:50および80:20の飼料を1日当たり体重の2%,朝夕等分に給与した.さらにそのうち大麦を煮沸した2つの期をもうけ,計4期の試験を行った.1期11日間とし,6,7,8日目の飼料給与3時間後に第一胃内液を,9,10,11日目の飼料給与前,飼料給与後2,4,6,8,10時間に第四胃内容物を採取し,第一胃内VFA総量およびその組成,第四胃内でんぷん量およびリグニン量を測定し,リグニン量を指標として第四胃へのでんぷん移行率を求めた.第四胃へ移行して来るでんぷんの割合(%)は各めん羊,各処理ともに飼料給与後2〜6時間に高くなっており,各時間2頭の平均値は50:50の場合,1.5〜5.5%で大麦煮沸による影響はみられなかった.80:20の場合,無処理では1.9〜5.8%であったが,煮沸区では2頭間に著しい差がみられ,1号羊では3.2〜14.5%,2号羊では1.4〜4.3%であった.第一胃内VFA総量,pH,酢酸プロピオン酸比は,50:50,80:20ともに大麦の煮沸処理により低下し,とくに80:20における1号羊の低下が著しかった.
社団法人日本畜産学会の論文