蛋白質飼料の加熱処理またはホルマリン処理が,反すう胃微生物によるin vitroでの蛋白質分解に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
バイパス蛋白質を増加させる手段として,蛋白質飼料に加熱処理またはホルマリン処理を行なった場合の,反すう胃内発酵および細菌態蛋由質量の変化について予備的な知見を得るために2回のin vitro発酵試験を行なった.試験1では通風乾燥器内で150°C 2時間の加熱処理をした大豆粕およびカゼインを,また,試験2ではCPの1%に相当するホルマリンで72時間処理をした大豆粕およびカゼインを,牛第一胃液を1に対してMCDOUGALL人工唾液を1混合した培養液にて24時間培養し,それぞれ無処理の場合と比較した.VFA濃度は大豆粕,カゼインともに無処理で高くなった.ホルマリン処理カゼインでは時間の経過にともなうVFA濃度の増加が認められなかった.アンモニア態窒素濃度は無処理区で高く,とくに24時間後の無処理カゼインが著しく高かったが,ホルマリン処理カゼインでは時間の経過による変化はほとんどみられず,ホルマリン処理大豆粕では時間の経過とともに低くなった.ジアミノピメリン酸を指標物質として用い,細菌態N量を算出し,その値とNH3-N量から24時間培養後の蛋白態Nの分解率(%)を求めた結果,試験1では加熱処理大豆粕,無処理大豆粕,加熱処理カゼインおよび無処理カゼインでは,それぞれ6.7,34.3,13.3および42.3であった.また,試験2ではホルマリン処理大豆粕,無処理大豆粕,ホルマリン処理カゼインおよび無処理カゼインの分解率は,それぞれ,0.6,32.6,0.0および58.0であった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
関連論文
- 乳用種去勢牛の肥育初期の飼料への反すう胃内保護メチオニンおよびリジンの添加が血液および第一胃液性状に及ぼす影響
- トキイロヒラタケ (Pleurotus salmoneostramineus) を用いた消化率改善のための無殺菌小麦わらの白色腐朽菌処理
- イン・ビトロ培養--ろ過法による飼料蛋白質の反すう胃内分解率の測定について
- シイタケ栽培使用済みほだ木のめん羊における栄養価
- ヒナおよび産卵鶏への大豆ステロ-ルの投与が血清,肝臓および卵黄中コレステロ-ルに与える影響
- タロウエステルの給与が乳用種去勢牛肥育に及ぼす影響
- 産卵鶏への海草粉末の給与が産卵および卵質に及ぼす影響
- 反芻胃内微生物による蛋白質の分解について
- 産卵鶏への各種ヨ-ド剤の給与が産卵および卵質に及ぼす影響
- 各種ヨ-ド剤の給与が幼雛に与える影響