日本人の口腔状態の推移〜「8020」達成度の推移と見通し

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近年の各都道府県における歯科保健条例の広がりや,平成23年8月10日に制定された「歯科口腔保健の推進に関する法律」により,国民の口腔保健状況の向上のための環境が整いつつある.本稿では,これらの状況を踏まえ,今後の歯科保健の方向性を検討するために,主要な口腔保健指標の推移を概観することにより,わが国の口腔保健の現状を明らかにすることを目的とした.これまでの状況の推移を顧みると,乳歯・永久歯におけるう蝕有病状況の改善,成人の歯周病有病状況の改善,歯を喪失する者の割合の減少とそれに伴う8020達成者の増加,および無歯顎者の減少,歯ブラシの使用や定期的な歯科健診の受診状況などの口腔保健行動の改善,などがみられた.また,「健康日本21」の最終評価においても,歯科の指標13項目中5項目において目標値が達成された.これらの国民の口腔保健状況の向上には,これまでの歯科保健政策,8020運動,健康日本21などの健康運動や保健政策の効果が関与していると考えられる.一方で,成人・高齢者でのう蝕や歯周疾患,高齢者人口の増加に伴う歯を喪失した高齢者の増加,要介護状態から終末期にいたるまでの口腔健康管理など,歯科がかかわる健康問題・健康課題は多く残されている.今後は,社会状況を考慮したうえで,全ライフステージにおける口腔の健康状態の維持・向上を目指した歯科保健の充実を目指していく必要がある.
2011-10-00

日本人の口腔状態の推移〜「8020」達成度の推移と見通し

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