歯科保健を担う人的資源の特徴

概要

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歯科保健を効果的にすすめていくためには,その人的資源の有効活用を図る必要があることから,様々な政府統計を用いてマンパワーと事業量を検討し,さらに行政に勤務する歯科専門職(歯科医師,歯科衛生士)の日常業務についてWeb調査を実施した.政府統計による分析では,歯科医師・歯科衛生士ともに診療に従事する割合が非常に高く,行政職が少なく,歯科保健業務は量的な面では民間の歯科医師と歯科衛生士に依るところが大きいことが確認された.行政の歯科専門職に対するWeb調査では,全般的に全国の行政歯科専門職の業務内容が多様で画一的には捉えきれないことがわかった.日常業務に占める歯科保健業務の割合は歯科医師の場合,都道府県と保健所設置市・特別区の本庁で約3分の2であったが,出先では都道府県が約3分の1,保健所設置市・特別区が半分弱と低かった.歯科衛生士では都道府県関係者が約6割,それ以外7〜8割と,都道府県で低い傾向が認められたが,歯科医師で見られた本庁と出先の差は小さかった.歯科保健以外の業務では,歯科医師の場合は都道府県および保健所設置市・特別区の出先において多様な業務に従事していた.歯科衛生士では都道府県が,他に比べて多様な業務に従事していた.行政が直接関与できていない歯科保健のライフステージに関する質問では,都道府県の保健所で関与できていない割合が高かった.歯科保健業務は全ライフステージを扱わなければいけないという特徴を有しているが,今回分析した結果,とくに行政歯科専門職がこれに対応できるように有効活用されているとは言い難い面が明らかとなった.今後,現状を踏まえたうえで,より効果的な人的資源の活用を検討していかなければならない.
国立保健医療科学院の論文
2011-10-00

歯科保健を担う人的資源の特徴

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