高齢者の根面う蝕の有病状況と歯冠う蝕との関連
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概要
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本研究の目的は,高齢者の根面う蝕の有病状態に関する記述統計的分析を行い,さらに根面う蝕と歯冠う蝕の有病状態との関連について分析を行うことである.調査対象者は,新潟市内在住の70歳600名である.分析対象者は,このうちの有歯顎者544名である.有病状況は,根面う蝕の所有者率,一人平均根面う蝕歯数,部位別,歯面別の分布で評価した.関連分析では,歯冠う蝕歯数群別の根面う蝕の所有者率および一人平均歯数を求め,次に根面う蝕の有無を目的変数にしてロジスティック回帰分析を行った.分析の結果,根面う蝕(根面DF)は男性の56.9%,女性の53.5%が所有し,平均根面う蝕歯数(根面DFT)は男性1.81(SD=2.41),女性1.41(SD=1.93)だった.根面末処置う蝕(根面D)はそれぞれ21.7,19.8%が所有し,平均根面未処置う蝕歯数(根面DT)は0.46(SD=1.10),0.32(SD=0.81)たった.部位別の分布は,上顎では犬歯,下顎では小臼歯に最も多く,歯面別では,頬側に最も多かった.歯冠う蝕との関連分析では,歯冠う蝕歯数が多い者ほど根面う蝕の所有者率が高く,根面DFTの平均が高かった.ロジスティック回帰分析にて口腔内のほかの要因を調整しても,歯冠う蝕歯数は根面う蝕の有無と有意(オッズ比1.08,p<0.001)に正の関連があった.以上の結果から,高齢者の根面う蝕の所有者率は高く,また,歯冠う蝕歯数は根面う蝕の所有の有無に関連があることが示された.
- 有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
- 2003-10-30
著者
-
安藤 雄一
国立保健医療科学院
-
宮崎 秀夫
新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔生命科学専攻口腔健康学講座予防歯科学分野
-
宮崎 秀夫
新潟大学大学院医歯学総合研究科
-
高野 尚子
新潟大学大学院医歯学総合研究科予防歯科学分野
-
葭原 明弘
新潟大学大学院医歯学総合研究科予防歯科学分野
-
花田 信弘
国立保健医療科学院口腔保健部
-
小川 祐司
新潟大学医歯学総合病院口腔保健科予防歯科
-
宮崎 秀夫
新潟大学大学院口腔健康科学講座
-
葭原 明弘
新潟大学大学院医歯学総合研究科 口腔保健推進学分野
-
宮崎 秀夫
新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座予防歯科学分野
-
花田 信弘
国立保健医療科学院 口腔保健部
-
小川 祐司
新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座口腔保健推進学分野
-
廣富 敏伸
新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座口腔保健推進学分野
-
山賀 孝之
新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座口腔保健推進学分野
-
花田 信弘
日本口腔衛生学会健康日本21委員会
-
廣富 敏伸
新潟大学医歯学総合病院口腔保健科予防歯科
-
山賀 孝之
新潟大学医歯学総合病院予防歯科診療室
-
葭原 明弘
新潟大学大学院医歯学総合研究科
-
小川 祐司
新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座予防歯科学分野
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