機械的応力により発生するSnウィスカにおける屈曲・湾曲部の形成と結晶方位の関係性(<特集>高密度実装を牽引する材料技術とヘテロインテグレーション論文)

概要

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電子・電気機器業界では,PbフリーSn系めっきを施したコネクタとフレキシブルプリント基板などとの嵌合部において,機械的応力により,Snウィスカが発生成長し,電子・電気機器の回路を短絡させることが問題となっている.Snウィスカの多くは,屈曲や湾曲しながら成長することが知られているが,機械的応力により発生成長するSnウィスカの屈曲部や湾曲部の形成要因については十分に理解されておらず,またSnウィスカの成長を抑制するための抜本的な対策が困難である.そこで本研究では,Snウィスカの屈曲や湾曲部の形成要因として,屈曲・湾曲部の形成と結晶方位の関係性に着目し,電子顕微鏡にて,形態や結晶方位などの微細構造解析を行った.その結果,Snウィスカは,ある特定の角度で屈曲や湾曲する場合が多いことが分かった.またウィスカの屈曲部や湾曲部は,双晶や小傾角粒界を有する多結晶となっていることも初めて実験的に示された.屈曲部や湾曲部の角度と双晶や多結晶部分の結晶方位との関係から考察すると,Snウィスカの屈曲部や湾曲部が形成される要因は,双晶変形やすべり変形などの塑性変形によるものであると結論される.
2012-11-01