秋季の広島湾における植物プランクトン群集のサイズ組成および海洋細菌現存量
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概要
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広島湾において2009年10月に植物プランクトン群集のサイズ組成および海洋細菌の細胞密度について調査した.クロロフィルa(Chl a)濃度を三つのサイズ(0.2-2.0μm, 2.0-20μmおよび>20μm)に分画し測定した.湾全体における全Chl a濃度は1.2から4.6μgL^<-1>の範囲にあり,湾南部に比べ湾北部で高かった.また,マイクロプランクトン(>20μm)が広島湾全域を通し優占していた.湾の南北で観察されたChl a濃度の違いは太田川由来の富栄養な淡水の影響が示唆された.従属栄養性の海洋細菌(以下細菌)の細胞密度は3.0から6.7×10^5cells mL^<-1>であり,Chl a濃度と似た分布を示した.細菌細胞密度はマイクロプランクトンのChl a濃度と正の相関関係が認められたことより,広島湾における細菌の出現にはマイクロプランクトン現存量が関与していることが推察された.さらに,栄養塩(DIN,溶存ケイ酸およびリン酸)濃度は湾北部から湾南部にかけて減少しており,Chl a濃度で認められた南北勾配は栄養塩濃度により引き起こされていたと考えられる.
- 2010-08-30
著者
-
多田 邦尚
香川大学農学部
-
一見 和彦
香川大学瀬戸内圏研究センター庵治マリンステーション
-
橋本 俊也
広島大学大学院生物圏科学研究科
-
山田 達夫
香川県水産試験場
-
帰山 秀樹
香川大学農学部
-
朝日 俊雅
香川大学農学部
-
中岡 雅倫
香川大学農学部
-
帰山 秀樹
香川大学農学部:(現)独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所
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