瀬戸内海の一次生産と海洋構造
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概要
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瀬戸内海を鉛直混合強度の季節変動を指標として9海域に区分し,一次生産量の地理的・季節別変動を調べ,海洋構造との関係を考察した.年間平均一次生産量のもっとも大きな海域は大阪湾北部(1,227mgCm^<-2>day^<-1>),ついで広島湾北部(1,013mgCm<-2>day^<-1>)であった.これらの海域は周年にわたって成層が形成され,陸域からの大量の栄養塩供給によって一次生産が高く維持されていた.また,これからの海域の一次生産量は夏季と秋季に大きく,冬季と春季に小さかった.一方,年間平均一次生産量の小さな海域は備讃瀬戸(323mgCm^<-2>day^<-1>),安芸灘(335mgCm^<-2>day^<-1>)であった.これらの海域は周年にわたり鉛直混合が卓越しており,光不足により一次生産が制限されていると考えられる.最も鉛直混合が卓越する備讃瀬戸では周年にわたり一次産量は小さく,季節変動はほとんど見られなかった.
- 日本海洋学会の論文
- 1997-08-29
著者
-
松田 治
広島大学大学院生物圏科学研究科
-
松田 治
広島大学生物生産学部
-
山本 民次
広島大学生物圏科学研究科
-
多田 邦尚
香川大学農学部
-
橋本 俊也
広島大学生物生産学部
-
山本 民次
広島大学大学院生物圏科学研究科
-
永末 寿宏
広島大学生物生産学部:(現)(株)ntt
-
松田 治
広島大学生物圏科学研究科
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