呉港における1989年4月~1990-年1月の植物プランクトン優占種の変動
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概要
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呉港内の広島大学練習船基地桟橋測点および二河川河口測点において、1989年4月-1990年1月にかけて毎週1-2回の採水を行い、観測ごとに出現した植物プランクトンの優占種の同定と細胞数の計数を行った。練習船基地桟橋測点における植物プランクトン優占種の合計細胞数は、全層ともに7月下旬から8月中旬にかけてピークとなり、冬季に低下した。練習船基地桟橋測点で優占極として出現した植物プランクトンは縁藻1種の他はすべて海産で、珪藻が29種、温鞭毛藻が5種、黄色鞭毛藻が3種であった。一方、二河川河口測点では淡水産植物プランクトンがしばしば優占し、潮汐との関係を検討した結果、下げ潮時に淡水産植物プランクトンが河川から流出している様子がうかがえた。以上の結果から、二河川河口測点では練習船基地桟橋測点と同じ海産植物プランクトンが共通して分布しているにもかかわらず、淡水産植物プランクトンの分布は練習船基地桟橋測点には通常及んでいないことが明かとなった。Identification and cell counts of dominant phytoplankton species ( >1 cells ml-1) collected at Kure Marine Station, Hiroshima Uniuversity and Niko River Station in Kure Port were carried out from April, 1989 to January, 1990. At Kure Marine Station, the maximum total cell number of the dominant species was observed from the last ten days of July to the middle ten days of August. The dominant marine species included 29 diatoms, 5 dinoflagellates and 3 chrysophytes at Kure Marine Station. On the other hand, at Niko River Station, riverine phytoplankton were often predominant, particularly around the ebb tide. These observed results suggested that the distribution of the riverine phytoplankton did not extend to the neighboring Kure Marine Station, where the same dominant marine phytoplankton species were also distributed as in the Niko River Station.
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