微小酸素電極法および酸素フラックス法による底生微細藻光合成生産の実測(シンポジウム:浅海域生態系における底生微細藻の役割)
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概要
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底泥衣面における酸素生成・消費速度を見積もる際に用いられる微小酸素電極法と酸素フラックス法について概説し,これらの方法を用いて英虞湾浅海域を対象として海底酸素収支に果たす底生微細藻類の役割を評価した.調査は最湾奥水深6mおよび湾奥10mの海底にて2007年6月および8月に行った.暗期には,微小酸素電極法と酸素フラックス法の値(それぞれ,拡散フラックス,全フラックスと呼ぶ)は,水深10mの海底では後者の方が2倍大きく,水深6mでは差が小さかった.水深10mでの違いは,生物攪拌をはじめとしたベントス活動の影響が全フラックスの大きさに反映されたと考えられる.明期には,水深10mの全フラックスおよび拡散フラックスは,暗期のそれぞれのフラックスと比べて差がなかった.海底面に到達した光強度が20-50μmol m^2s^<-1>しかなかったことから,底生微細藻の光合成(酸素生成)がきわめて低かったと判断された.水深6mでは,海底面光強度が80μmol m^<-2>s^<-1>以上の時には全フラックスは上向きになり,微小酸素電極の測定(200μmol m^<-2>s^<-1>)でも,拡散フラックスは上向きであった.以上の結果から,浅海域の堆積物表層では酸素代謝の調整機構として,底生微細藻の光合成が重要な役割を果たしており,日中光合成が活発に行われた場合には海底での酸素消費を相殺するだけの酸素生成を行っていることが判明した.
- 2009-08-31
著者
-
山本 民次
広島大学大学院生物圏科学研究科水域循環制御論講座
-
原口 浩一
広島大学大学院生物圏科学研究科
-
山本 民次
広島大学大学院生物圏科学研究科
-
山本 民次
広島大学大学院生物圏科学研究科環境循環系制御学専攻水域循環制御論講座
-
山本 民次
広島大学大学院
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