沿岸海域の低次生態系に対する藻場の役割
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概要
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藻場は高い基礎生産力を持っており、沿岸海域の低次生態系に対して重要な役割を果たしていると考えられる。本研究では、瀬戸内海の各海域における藻場と水中植物プランクトンとの生産力の比較を行った。水中植物プランクトン生産量に対する藻場生産量の割合は安芸灘で最も高く(10.8%)、ついで備讃瀬戸で高い値を示した(3.8%)。一方、広島湾、大阪湾、播磨灘では低い値であった(0.6、0.3、0.2%)。季節毎に算出した水中植物プランクトン生産量に対する藻場生産量の割合は冬季に高い割合であった。また、広島湾南部海域を対象海域として、藻場の栄養塩の吸収量・放出量・蓄積量を算出し、栄養塩収支における藻場の役割を定量的に明らかにした。その結果、窒素、リンそれぞれ河川負荷量の14、40%に相当する量が難分解性有機物として蓄積されていることが明らかになった。
- 広島大学大学院生物圏科学研究科の論文
- 2009-00-00
著者
-
吉田 吾郎
水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所
-
橋本 俊也
広島大学大学院生物圏科学研究科
-
吉田 吾郎
(独)水産総合研究センター 瀬戸内海区水産研究所
-
吉田 吾郎
独立行政法人水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所:広島大学大学院生物圏科学研究科
-
吉田 吾郎
瀬戸内海区水産研究所
-
清水 健太
広島大学大学院生物圏科学研究科
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