知覚過程を考慮した単一試行EEG波形による提示文字種の推定に関する検討

概要

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漢字とシンボルの弁別課題において,単一電極,単一試行のEEG波形から知覚した文字を推定する手法を評価した.文字の認知過程から,単一電極として前頭部のFzと後頭部のOzを選択した.各文字種ごとの20試行を訓練データに割り当て,残りの試行でのEEG波形から知覚した文字種を,サポートベクトルマシンを用いて判別推定した.判別の精度は,文字の知覚過程を考慮して100〜800msec.の間で検討した.波形による識別性能を調べたところ,Ozでは100-300msec.で,Fzでは100-500msec.の時間帯で識別可能であった.また,訓練データのEEGから加算平均波形(ERP)を算出し,単一試行EEGから波形特徴を抽出するために,単一試行EEGとERPの関係をサポートベクトル回帰モデルとして作成した.このモデルによって,予測された波形を基に知覚文字種を推定したところ,回帰推定による効果が確認され,Ozでは400msec.までの波形情報,後頭部では500msec.までの波形情報での判別性能が高かった.
2010-03-02