変動要因が多い環境下でオンラインで稼働する画像を用いた自己位置同定手法

概要

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本論文では、移動ロボットのための、完全にオンラインで稼働する、画像を用いた自己位置同定手法 (Visual-based SLAM) を提案する。提案手法は、以下のようにまとめられる。(1) 移動するロボットから観測される画像中に頻繁に現れる SURF 特徴 (PIRF 特徴: Position Invariant Robust Features) を適応的に検出し ID をつける、(2) PIRF 特徴と ID の対応関係についてまとめた辞書を作る、(3) 各位置における入力画像 (環境) を辞書に記された ID で記述する、(4) 辞書の更新・環境の記述・自己位置同定をオンラインで繰り返す。提案手法の有効性は、世界的に知られる "City Center" と "Lip6Indoor" データベースを用いて評価し、提案手法が従来手法より、認識率と処理速度の双方で約 2〜3 倍優れることを確認した。さらに本研究では、世界で初めて、混雑する大学食堂の環境下で実験を行い、そうした極めて変動要因の多い (多くの人が動く) 環境下でも、提案手法が辞書の作成と更新、自己位置同定をオンラインで確実に実行でき、高い自己位置同定精度が得られることを確認した。本研究は、画像を用いた自己位置同定の研究分野の新たな地平を切り拓くものと考える。
2010-05-20