長期間の介護継続における介護者の疲労感および生活満足感の変化に関する研究
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概要
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本研究は, 6年間の追跡調査に基づき,在宅の要介護高齢者の介護者の主観的疲労感と生活満足感の変化およびそれらに関連すると考えられる要因を明らかにすることを目的に行った.調査対象者は,静岡市の特別養護老人ホームの在宅サービスの利用介護者で初回調査に参加した82人のうち,追跡調査に回答した53人である.疲労感については蓄積的疲労徴侯調査票を,生活満足感は介護者の生活に対する主観的な満足感を求めた.その結果は以下のとおりであった.1.在宅での介護継続の有無に関して,介護継続者は14人,介護を終了していた元介護者は39人であった.2.介護継続者は,蓄積的疲労徴候調査票の特性の中で,抑うつ感,不安感,一般的疲労感,身体不調は有意(p<0.05)に疲労感が低下していた.しかし,慢性疲労,イライラの状態,気力の減退では変化がみられなかった.元介護者については,蓄積的疲労徴候調査票の7特性のうち,気力の減退を除く6特性で著明な改善が認められた(p<0.01).3.生活満足感については,介護継続者および元介護者のどちらも満足感を感じている者が多く,6年間での変化はみられなかった.4.介護継続者においては,趣味をもつものが,元介護者よりも有意(p<0.05)に多かった.
- 日本老年看護学会の論文
- 2000-11-01
著者
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佐藤 和佳子
山形大学医学部看護学科
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山田 紀代美
静岡県立大学短期大学部看護学科
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鈴木 みずえ
浜松医科大学
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鈴木 みずえ
三重県立看護大学
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山田 紀代美
宮城大学看護学部
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佐藤 和佳子
山形大 医 看護学科
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山田 紀代美
静岡県立大 短大部
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山田 紀代美
宮城大
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佐藤 和佳子
山形大学医学系研究科看護学講座
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