地域における高齢の介護者の健康度と生活習慣 : 非介護者との比較から

概要

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本研究の目的は,地域の高齢介護者の健康状況と生活習慣について把握することである.静岡県浜松市M町在住の65歳以上の高齢者567人の性,年齢,介護実施の有無,身体的・精神的健康,生活習慣,生活満足度,ソーシャルサポートの状況などを調査した.介護者と非介護者とを比較し以下の結果を得た.1.地域の高齢介護者の数は,女性が345人中15人(4.3%),男性は222人中4人(1.8%),全体では19人(3.4%)であった.介護者の平均年齢は,女性が72.07±5.22歳,男性は79.75±7.89歳で,男性の方が高齢であった.2.対象者全体では,うつ尺度得点は女性が男性に比べ有意(P<0.05)に高く,生活満足度は女性が有意(P<0.05)に低かった.ソーシャルサポート得点は男性が有意(p<0.01)に,生活習慣得点は女性が有意(p<0.001)に高かった.特に,飲酒と喫煙習慣は男性が有意(p<0.001)に多かった.3.介護者と非介護者の比較では,うつ尺度得点は,男性は介護者が高い傾向(p<0.1)が伺え,女性は逆に介護者の方が低い傾向(p<0.1)が伺えた.その他の項目では差は認められなかった.
日本老年看護学会の論文
1998-11-15