知的障害児の問題解決における方略使用の特徴に関する研究 : ハノイの塔課題による手段目標分析の使用に及ぼす要因の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は、知的障害児の手段目標分析の使用に及ぼす要因について、ハノイの塔課題を用いて調べた。研究1では手段目標分析の使用に下位目標の把握がどのように関係しているか検討した。その結果、知的障害児はMAに対応する健常児9歳よりも、適切な手段目標分析の使用が可能な者が少なかった。そして、不適切に手段目標分析を使用する被験者は、下位目標を把握していると推定される者と下位目標を把握していないと推定される者に分類できることが示された。研究2は誤反応の分析を行い、研究1の結果について詳しく検討した。その結果、下位目標の把握の段階で止まっている者は、初期状態と目標状態の差の評価が不十分である可能性が示された。また、下位目標を把握していたが下位目標達成に要される手順を見通す段階で止まっている者では、作動記憶に負荷する抽象性の高いルール保持の難しさが推測された。これらの結果に基づき、知的障害児の方略使用の困難さについて議論された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2001-11-30
著者
関連論文
- 特殊教育教員養成大学・学部の実態(その2)(特殊教育教員養成問題研究委員会資料)
- 特殊教育教員養成大学・学部の実態(その1)(特殊教育教員養成問題研究委員会資料)
- 知的障害者に対する態度に関する文献研究 : 態度の多次元的研究に焦点をあてて(I.教育科学系)
- 知的障害者に対する態度形成の因果関係
- 知的障害児の問題解決行動における自己修正の特徴に関する研究(I.教育科学系)
- 知的障害児の問題解決行動に及ぼす手がかり教示の効果(I.教育科学系,研究紀要50周年記念誌)
- 知的障害児の問題解決における方略使用の特徴に関する研究 : ハノイの塔課題による手段目標分析の使用に及ぼす要因の検討
- 知的障害児の問題解決行動の特徴に関する研究 : 変換課題による健常児との比較検討
- 知的障害児の問題解決における方略使用の特徴に関する研究--ハノイの塔課題による手段目標分析の使用に及ぼす要因の検討
- 精神遅滞児の弁別逆転移行学習におよぼす事前次元分類訓練および分類・言語化指導の効果
- 今日の青少年の精神身体に関する総合的研究(??) : 母親と幼児の心理的距離類型による育児情況の差異
- 中度精神薄弱児および健常児の弁別逆転移行学習におよぼす言語的手がかり訓練の効果
- 精神薄弱児の弁別逆転学習における言語命名および言語化の効果
- 精神薄弱児の弁別逆転学習に及ぼす相対的な手がかり類似性の影響
- 教授・学習5(631〜638)(部門別研究発表題目・質疑応答・討論の概要)
- 精神薄弱児の弁別逆転学習に関する研究 : MAを変数とした検討
- 4 学習(1)(日本教育心理学会第11回総会部門別研究発表題目・討論の概要)
- 中度および軽度精神遅滞児の弁別移行学習過程 : 先行学習での適切手がかりの言語化について
- 精神遅滞児・者の知能構造に関する研究 : WISC知能診断検査による検討
- 精神薄弱児・者の弁別学習機制に関する研究
- 精神薄弱児の弁別学習における手がかり機制の発達に関する研究
- 肢体不自由児教育におけるコンピュータ利用の現状と課題 II)
- 肢体不自由児教育におけるコンピュータ利用の現状と課題
- 600 発達障害と適応阻害(611〜6)(日本教育心理学会第12回総会部門別研究発表題目・討論の概要)
- 7K6 知的障害教育におけるコンピュータ利用の効果と課題((課題研究7-1)ICTと特別支援教育(1),教育の原点に光を当てる〜乱流の中の本流を見出す〜)
- 精神遅滞者の問題解決における下位目標提示形態の影響
- 精神遅滞者の問題解決に及ぼす下位目標配置の影響 : ハノイの塔問題を用いた健常児との比較検討
- 中度精神遅滞児の弁別逆転学習における過剰訓練の効果
- 教授・学習8(656〜663)(部門別研究発表題目・質疑応答・討論の概要)
- 精神遅滞1 認知・学習・記憶(精神遅滞,日本特殊教育学会第29回大会研究発表報告)
- 精神遅滞IV 認知・思考(精神遅滞,日本特殊教育学会第28回大会研究発表報告)
- 精神遅滞K(精神遅滞,日本特殊教育学会第26回大会研究発表)
- ダウン症候群者における身体的側面の加齢変化 : 外観的老化徴候と疾病について
- 632 脳性まひ児の弁別移行学習に関する研究 : 正常児および精薄児との比較検討(教授学習5,研究発表)
- 631 精神薄弱者(成人)の弁別任意移行に関する研究 : 知能及び精神年齢水準の違いと移行との関連(教授学習5,研究発表)
- 628 正常児および精神薄弱児の弁別任意移行学習に関する研究(II) : 知覚的移行と概念的移行による手ががり機制の発達的検討(教授・学習)
- 627 正常児および精神薄弱児の弁別任意移行学習に関する研究(I) : 知覚的移行と概念的移行による手ががり機制の発達的検討(教授・学習)
- 814 精神薄弱児の弁別逆転学習(5) : 反応時間を中心とした正常児との比較検討(800 臨床・治療・障害)
- 710 精神薄弱児の弁別逆転学習(4) : 特に反応時間を中心とした検討(障害児)
- 614 精神薄弱児の弁別逆転学習(3) : 反応時間による予備的検討(600 発達障害と適応阻害)
- 2 精神薄弱児の弁別逆転学習(2) : 学習材料の抽象性の効果について(4.学習)
- 928 精神薄弱児の弁別逆転学習(1) : 刺激次元の優位性の効果について(9.特殊教育)
- 1150 中度精神遅滞児の弁別逆転学習における過剰訓練量の比較(精神遅滞児・者,障害5,口頭発表)
- 874 軽度および中度精神薄弱児の弁別逆転学習における言語化と過剰訓練の効果(臨床・障害8,臨床・障害)
- 精神薄弱児の弁別逆転学習における言語命名および言語化の効果
- 659 重度精神薄弱児の弁別移行学習過程に関する研究(教授・学習8,教授・学習)
- 633 精神薄弱児の弁別逆転学習における言語教示の効果(教授・学習4,教授・学習)
- 中・重度知的障害児の弁別学習研究における最近の動向