精神遅滞者の問題解決における下位目標提示形態の影響
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概要
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精神遅滞者の問題解決に下位目標の提示形態が及ぼす影響について検討した。課題はロンドン塔問題であった。被験者は2つの下位目標が提示されている課題で問題解決学習を行った。下位目標の提示形態は解決活動のスタートと同時に2つの下位目標が同時に提示されゴールするまで撤去されない同時提示条件と、スタート時に第1の下位目標のみが提示され、達成すると第1下位目標が撤去されて、第2の下位目標が提示される継時提示条件の2提示形態であった。下位目標提示の学習課題を終了した後に行った下位目標が提示されない実験課題では学習課題と同一の課題と、異なる課題(転換課題)を解決させ両条件の比較分析を行った。結果は同時提示条件群のほうが同一課題で効果的な方略使用を行い誤操作も少なかったが、転換課題では両条件間に差は認められなかった。このことから、精神遅滞者では、下位目標の提示だけでは、問題構造を理解し解決ルールを学習するには不十分であることが推察された。
- 2000-06-30
著者
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