構造化されていない問題における知的障害児のプランニングに関する研究
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概要
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本研究は、構造化されていない問題における知的障害児のプランニングの特徴とその影響要因について検討した。プランニング過程は、遂行基準の産出と目標状態の構想、それに至る遂行の見通しから成ると考えた。特に遂行基準のとらえ方に着目し、プランの形成に与える影響について調べた。対象は、知的障害児35名(MA 5歳水準18名、MA 8歳水準17名)と非知的障害児48名(CA 5歳24名、CA 8歳24名)であった。課題は、人形が山に登れるものを作るという大まかなテーマが与えられた積木構成場面であった。対象児の構想、積木の準備行動、積木操作過程における修正行動と構成物、構成物の自己評価が分析された。その結果、知的障害MA 5歳は、プランニング以前の教示理解が問題状況に即しておらず、それは教示内容に関連する知識の取り出しが制約されていることが一因と推察された。知的障害MA 8歳では、局所的プランニングを行う傾向が示された。その要因として、遂行基準を曖昧にとらえたため、概略的な目標状態が構想され、遂行を部分的にしか見通せなかったことが考えられた。
- 2008-09-30
著者
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