僅少な品質差を問題とする音声符号化方式の品質評価 (情報表現学科特集号)

概要

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音声の圧縮符号化に伴う品質劣化の評価法はいくつかの客観的評価法が提案され、利用されている。これらは、主に通信品質の絶対評価値である平均オピニオン値を極力精度良く推定しようとするものであり、音声圧縮符号化アルゴリズムを電話網に適用するときの設計指針を与えるために利用されている。しかし、特に僅少な品質差を問題とする音声符号化方式の相互接続可能性を評価するには、精度の点で不満がある。ITU-Tの8 kbit/s音声符号化方式G.729とそのAnnex A, B, C, D, Eは勧告成立以来、無線用途をはじめとして広く利用されてきた。更に、ソフトウェアによるインプリメンテーションを求める市場の要請に応じて、ITU-Tは既存の可変レートAnnexに対する浮動小数点演算版を新規Annexとして勧告化することとした。筆者らは、既存の勧告との相互接続性を確保するための品質的要求条件を明確化するとともに、品質評価項目と評価手段を適切に設計し、ITU-Tにおける勧告化手順に反映させた。また、その手順に沿って新規Annex案の品質試験を実施し、その品質が勧告とするに足ることを明らかにした。本論文では、G.729の新しい拡張としてAnnex C+ が勧告化された経緯、要求条件に対する品質評価手法と評価項目、および勧告化にあたって実施した評価試験と結果を述べる。
2004-12-24

僅少な品質差を問題とする音声符号化方式の品質評価 (情報表現学科特集号)

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