東北地方の草地における害虫多発生の概況 : I.ヤガ類の発生概況
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概要
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東北地方の人工草地における最近10余年間のヤガ類の集中発生状況について実態調査を行い,次の結果を得た。アワヨトウ第1世代は主として日本海側及び下北半島に発生し,第2世代はこれより一般に少ないが各県に散発する傾向があった。年間の被害総面積は最高約50,000haにまで及び,年次変動が極めて大きい。第2世代の被害は主として造成当年の春播草地に認められたのに対し,第1世代は造成後の年数にかかわりなく発生した。タマナヤガによる発芽直後の被害は散発的であったが,1地点での被害面積は大きく,平均24haに達した。8月以降の多発は高冷地に偏る傾向を認めた。ハスモンヨトウは福島,秋田の両県で稀に発生が記録された。以上3種は移動性が大きく,発生が突発的であるのに対し,ショウブヨトウは福島県,岩手県で同じ地点に2〜3年継続して多発し,蹄耕法による不耕起造成地にも発生した点が特徴的であった。スジキリヨトウ及びシロモンヤガは各県の草地に広く生息を認め,時には多発状態に達した。前者は比較的古い草地,後者は造成後満1年以内の草地に多発するようである。
- 日本草地学会の論文
- 1982-04-28
著者
-
小林 尚
東北農業試験場:(現)農業研究センター
-
宮原 義雄
東北農試
-
奥 俊夫
東北農業試験場:(現)果樹試験場盛岡支場
-
宮原 義雄
東北農業試験場
-
奥 俊夫
果樹試験場盛岡支場
-
小林 尚
農事試験場畑作研究センター
-
奥 俊夫
東北農業試験場
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