乳量における年齢,分娩月および産次に対する補正の有効性について

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本研究では,北海道乳牛検定協会の1975〜1977年度のファイルから,1975年1月1日以降に分娩したもので,分娩時年齢が17か月齢以上,搾乳日数が240日以上の総数76,742頭の正常記録を使用した。年齢,産次及び分娩月の乳量に及ぼす影響とこれらの効果に対する補正の有効性を,3地域別に最小二乗分析より検討した。分析に用いた記録は,実乳量と4種の補正乳量であった。実乳量に対して推定された年齢と産次の最小二乗定数は,地域間で大きい差異を示さなかった。これに対し,分娩月の実記録に及ぼす影響は,地域間で異なるものであった。補正乳量1と2の年齢定数は,同様な推移を示した。これは,Multiplicative factorsでの年齢補正を地域別に行うことがあまり重要でないことを示唆している。補正乳量3と4に対して推定された年齢定数は,大きい変動を示した。特に,補正乳量3は,高年齢において,一方,補正乳量4は若年齢で正の大きい偏りを示した。補正乳量に対して推定された産次定数は,実記録のものとほぼ同様であり,産次に対する補正はほとんど有効でないと推察した。補正乳量1の分娩月定数は,すべての地域でほぼ零で推移し,補正が有効であったと推察した。補正記録2及び4の分娩月定数は,それぞれ,約200〜240kg,350〜500kgの変動を示した。また,補正乳量3での分娩月定数は,実記録に関するものより大きく変動した。これらの結果から,乳量を補正する場合,分娩月の効果とその地域差を考慮することが不可欠であると推察した。
帯広畜産大学の論文
1980-11-29

乳量における年齢,分娩月および産次に対する補正の有効性について

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