北海道における牛群の産乳量に影響を及ぼす遺伝的並びに環境的要因について

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本研究では,牛群平均産乳量に影響する要因を分析し,さらに,牛群の生産性の変化と牛群検定との関連性について検計した。牛群平均産乳量は,北乳検に集積された1975年4月から,1982年3月までに分娩したホルスタイン種雌牛の産乳記録を用い,牛群ごとに各分娩年度で平均した値である。産乳形質とし,305日2回搾乳の乳量,乳脂量,乳脂率及び乳円価の成牛換算補正値を用いた。種雄牛評価値は,1983年3月までに乳期を完了した初産牛の記録からETAとして推定した。牛群平均種雄牛ETAは,反復率50%以上のETAを各年度で平均した値である。牛群平均産乳量に影響を及ぼす効果を分析するには,牛群サイズ,分娩年度及び乳検への加入年度,さらに各牛群の初産牛の占める比率と種雄牛ETAを持つ記録の比率及び平均種雄牛ETAを含めた数学モデルを当てはめ,共分散分析を行なった。結果は,次の通りである。1)乳量,乳脂量及び乳円価の牛群平均は,牛群サイズが大きいほど高いレベルで推移する傾向にあった。それに対し,乳脂率の牛群平均は,減少傾向を示した。2)牛群検定をより早く実施した牛群ほど高い牛群平均産乳量を示した。3)牛群平均乳量,乳脂量及び乳円価は,分娩年度の進度の進行に伴い増加する傾向にあったが,1979年度頃にわずかな減少が認められた。4)牛群平均種雄牛ETAにおける年度当りの遺伝的改良量,乳量,乳脂率及び乳円価について,それぞれ,13kg,0.6kg,0.02%及び1340であった。5)牛群平均種雄牛ETAに対する牛群平均産乳量の偏回帰係数は,すべて正の値が推定され,牛群の産乳量を増加させる方向に作用した。
帯広畜産大学の論文
1984-12-25

北海道における牛群の産乳量に影響を及ぼす遺伝的並びに環境的要因について

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