鶏卵における高および低卵黄・卵白比の選抜について : I.卵黄・卵白比に対する選抜実験の可能性

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卵黄・卵白比に対する選抜を3世代(1970〜1973年)行ない各世代での平均値の推移等を考察し,その選抜の可能性を検討した。ランダム交配を4回重ねた白色レグホーンを基礎集団とし,各世代とも約10ヵ月齢時に1羽より連続5個を採卵し,卵重,卵白重,卵黄重,卵殻重,卵長径,卵短径を測定した。これらの測定値より卵黄・卵白比,卵型係数を算出した。いずれの形質も5個の平均をもってその鶏の値とした。0世代で卵重により4群に別け,さらに卵黄重の大小により2群を作成した。対照群を加えて9群を選抜した。1世代以降では卵黄・卵白比の高低により選抜を行なった。雌に対する選抜圧はおおむね1/3〜1/4とした。雄には直接的な選抜圧は加わっていない。次の結果を得た。1)卵重において大きい平均値を有する群がいずれの測定形質においても大きい平均値を持つ傾向を示した。その傾向は卵白重に顕著であった。2) Stabilizing selectionの効果が卵重,卵白重に観察された。これは0世代における卵重による選抜の影響と考えられた。3)各世代において選抜に対する反応は卵白重よりも卵黄重に相対的に大きい傾向が認められた。4)卵黄・卵白比の高低2群における平均値の差は1世代で1.7〜3.0%,2世代で1.2〜4.2%,3世代で1.4〜7.7%であった。以上のように相対的に小さな集団においても卵黄・卵白比に明らかな変化が生じたことより,その選抜が可能であると推察される。
1974-12-25

鶏卵における高および低卵黄・卵白比の選抜について : I.卵黄・卵白比に対する選抜実験の可能性

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