潜在性乳房炎の指標としての電気伝導度及び体細胞数の変動要因について

概要

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潜在性乳房炎の検出指標である乳汁中の電気伝導度と体細胞数を測定し,これらに影響を及ぼす要因を検討した。また,体細胞数と電気伝導度が産乳量に及ぼす影響を比較検討した。データは,帯広畜産大学付属農場で昭和57年4月から10月までの87頭,延べ1595頭から採取した。測定は,毎週一回午前搾乳時に,各分房の前搾り乳について行った。体細胞数および電気伝導度に影響を及ぼす要因を検討するため,産次,泌乳ステージ,季節および種雄牛の効果を独立変数とした最小自乗分析を行った。また,体細胞数と電気伝導度の産乳量に及ぼす影響を比較検討するためには,上記の環境要因を数学モデルに組入れた最小自乗分析を行った。体細胞数および電気伝導度に対する産次,泌乳ステージ,季節および種雄牛の効果はいずれも有意であった。体細胞数は,産次の進行に対し増加したが,電気伝導度では,3産次まで上昇し,4産次で減少した。また,泌乳ステージの進行に伴って体細胞数は増加したが,電気伝導度は約209日まで上昇し,それ以降では下降傾向を示した。融雪期に当る4月には両形質とも高い値を示し,放牧期には低い値で推移する傾向を示した。産乳量に及ぼす電気伝導度と体細胞数の影響から,電気伝導度による判定の方が,体細胞数による判定よりも的確に潜在性乳房炎を検出することが示唆された。
帯広畜産大学の論文
1983-11-30

潜在性乳房炎の指標としての電気伝導度及び体細胞数の変動要因について

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