枝肉形質および画像解析形質が牛枝肉価格に与える影響
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概要
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北海道内の枝肉市場に上場された黒毛和種去勢牛(1,543頭)および交雑種去勢牛(532頭)の枝肉横断面の画像に対し,脂肪面積比,全体の粒子のあらさ,最大粒子のあらさ,ロース芯の短径・長径比およびロース芯形状の複雑さを画像解析形質として分析に用いた.格付形質としては,枝肉重量,ロース芯面積,バラの厚さ,皮下脂肪厚,BMSナンバー,BCS等級およびBFS等級を用いた.これらの形質が牛枝肉価格にどのような影響があるかを検討した.取り上げた14種類のモデルのうち,格付形質のみおよび画像解析形質を含む2種類の,計3モデルについて詳細に検討した.3種類のモデルの決定係数は,黒毛和種で0.799〜0.825,交雑種で0.784〜0.792の範囲にあった.価格に最も影響を与えた形質は,格付形質のみを含むモデルにおいては,黒毛和種および交雑種ともBMSナンバーであり,それぞれの標準偏回帰係数は0.570および0.407が推定された.また,画像解析形質を加えたモデルでは,脂肪面積比において最も高い標準偏回帰係数が推定された.全体の粒子のあらさと最大粒子のあらさの標準偏回帰係数は,黒毛和種でそれぞれ−0.079および−0.040,交雑種でそれぞれ−0.090および−0.079を示し,ロース芯内の脂肪交雑粒子があらいと,枝肉価格に負の影響を与える結果を示した.同様にロース芯形状の複雑さのそれも黒毛和種で−0.033,交雑種で−0.045と負の値を示した.
- 社団法人日本畜産学会の論文
- 2003-11-25
著者
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口田 圭吾
帯広畜産大学
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鈴木 三義
帯広畜産大学
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三好 俊三
帯広畜産大学
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加藤 貴之
十勝農業協同組合連合会
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岡本 圭介
帯広畜産大学
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三好 俊三
帯広畜産大学畜産管理学科 家畜育種増殖学講座
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口田 圭吾
帯広畜産大学 畜産科学科
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鈴木 三義
北海道農業試験場
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鈴木 三義
帯広畜産大学畜産学部家畜育種増殖学教室
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鈴木 三義
帯広畜産大
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三好 俊三
帯広畜産大 畜産
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