鶏卵の構成形質の加齢に伴う推移

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卵構成を変化させる目的で卵黄・卵白比の高低2方向への選抜により得られた閉鎖集団における加齢に伴う卵構成形質の推移を,産卵能力(産卵数や卵重)に対して育種された市販鶏種と比較することで検討した。用いた鶏群は,卵構成を変化させる目的で卵黄・卵白比に対し高および低方向へ選抜された白色レグホーン種の24世代目の2系統(以下,それぞれHおよびL系統),さらに,これらと比較するための市販鶏種(XおよびJ系統),それぞれ20〜30羽である。採卵は,初産から約30日間隔で10回行った。各測定点での採卵は1羽から少なくとも2個の卵を得た。本研究で分析した卵構成形質は,卵重,卵殻重,卵黄重,卵白重および卵黄・卵白比である。さらに卵白は2mm格子の金属メッシュで濃厚卵白と水様性卵白とに分離し,それぞれの重量を測定した。卵黄・卵白比はH系統がすべての測定点において,他の系統より有意に大きい値で推移した。特に,L系統は,第3測定点以降において,市販鶏種より小さい値で推移した。卵重および卵殻重はすべての測定点において市販鶏種が選抜系統より重く,初産時を除き,その差は有意(p<0.05)であった。卵黄重は初産時のみ選抜系統が市販鶏種より重かったが,有意差は認められなかった。卵白重は卵重と同様に,市販鶏種が選抜系統より重く,ほとんどの測定点でその差は有意であった。また,卵白重の変化は水様性卵白重によると推察された。市販鶏種の産卵は選抜系統より早い日齢で開始され,初期の卵重の増加が著しく,その後も増加した。さらに,卵黄・卵白比は第5から第6測定点以降,卵殻重は第3測定点以降ほぼ一定の値を示すようになるが,他の卵構成形質は加齢に伴う変化が大きく,鶏種の特徴を正確に決定することは困難であると考えられる。
1996-06-26

鶏卵の構成形質の加齢に伴う推移

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