フィールドにおける搾乳速度の構成要因

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昭和49年12月より51年9月まで,帯広畜産大学附属農場にけい養されていたホルスタイン牛群から,機械後搾りを含む平均搾乳速度を測定し,フィールドにおける搾乳速度の測定法,影響要因を検討した。測定は,朝・夕2回の搾乳で週一度なされ,延べ88頭の152泌乳期より3,821記録を採取,分析し次の結果を得た。1)朝・夕搾乳での乳量は,16時間,8時間という搾乳間隔であるため,朝乳量は夕乳量の1.9倍であったが朝平均搾乳速度は,夕搾乳の1.3倍であった。2)平均搾乳速度は,ステージ進行に従って直線的に推移せず,分娩季節によっても推移パターンは異なった。3)分散成分を個体間,ステージ間,ステージ内記録間に分割した場合,平均搾乳速度では個体間分散が最も大きく(48〜57%)個体の特徴を反映しているものと推測される。4)測定数の違いによる信頼度を前述3)の分散成分から推定すると,平均搾乳速度の信頼ある値をうるためには,異なるステージで8回程の測定が必要となる。5)一泌乳期平均を個体の代表値とすると,平均搾乳速度は分娩季節に関係なく,泌乳開始からの3ヵ月間あるいは泌乳終了前3ヵ月平均値から高い信頼度(r>0.90)で推定される。6)搾乳時間は,乳量と平均搾乳速度から高い決定係数(R^2>0.84)で推定される。7)産次,分娩季節,泌乳ステージを要因とした分散分析より,これらの要因はいずれも有意に搾乳速度に影響しており,分娩季節間での差異は乳量以外の気温等の影響によるものと推測された。乳量の影響を除いた泌乳ステージの効果から,平均搾乳速度は泌乳ステージ進行に伴って速くなっており,乳頭括約筋の弛緩などの乳牛の生理面とステージ進行との関連性が観察された。以上の結果より,機械後搾りを含む平均搾乳速度を指標とする場合,異なるステージで8回程度の測定が必要である。さらにこの搾乳速度は乳量の影響を除いても異なる分娩季節,ステージ間に有意な差が存在し,育種価推定のためには,これらの変動要因に対し考慮を払わねばならない。
帯広畜産大学の論文
1977-11-25

フィールドにおける搾乳速度の構成要因

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