乳牛の量的形質に対する統計的分析 : I.全十勝乳牛共進会における育種傾向
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概要
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全十勝共進会における体型的な育種傾向を知るために昭和24年の第1回から昭和45年の第22回までに出陳された7ヵ月齢から34ヵ月齢のホルスタイン種1,210頭の8部位の測定値を共進会別に統計的分析を試みた。回帰曲線の計算のためには9コの二次多項式のモデルより次の二次回帰曲線モデルを選んだ。Y=a_0+b_1X_i-b_2-X^2_iこのモデルは7ヵ月齢から30ヵ月齢の部位の測定値に良く適合するものであった。結局,この分析のために291コの二次回帰式が推定された。昭和24年と昭和45年の推定値の比較において,差の存在すると考えられる部位は体高,体長,胸深,胸囲,尻長であり,腰角幅,かん幅,管囲には差は観察されなかった。昭和33年には,体高の推定値は昭和24年と昭和45年のそれの中間にあり,体長,胸深,胸囲,尻長ではほぼ昭和45年の水準に達していた。昭和43年度における上位入賞牛の平均値は体高,体長において推定回帰曲線の上側に分布し。腰角幅,尻長ではその下側に分布していた。胸深,胸囲,かん幅は比較的に良く曲線に適合していた。しかしながら,昭和44年,同45年の上位入賞牛の傾向は体高,体長,胸囲においてその推定曲線の上側に分布した。腰角幅,かん幅,尻長はその推定曲線によく適合するかあるいはやや上側に分布する傾向を示した。すなわち,昭和43年には出陳牛の平均よりも体高,体長が大きく後躯は比較的小なるものが入賞したが,昭和44年以降では体高,体長はもちろんであるが,胸囲や後躯が相対的に強く評価されていることを示すものである。推定された二次回帰曲線は十勝地方のホルスタイン種共進会に出陳するための最初の選抜基準の一つとして応用することも可能である。
- 帯広畜産大学の論文
- 1971-09-16
著者
-
光本 孝次
帯広畜産大学畜産管理学科家畜育種増殖学研究室
-
森 雅雄
帯広畜産大学家畜育種学教室
-
辰巳 充弘
帯広畜産大学家畜育種学教室
-
庄武 孝義
帯広畜産大学家畜育種学教室
-
庄武 孝義
京都大学霊長類研究所
-
庄武 孝義
帯広畜産大学家畜育種学研究室
-
光本 孝次
帯広畜産大学家畜育種学教室
-
庄武 孝義
名古屋大学農学部
-
Shotake T
Primate Research Institute Kyoto University
-
庄武 孝義
日本大学農獣医学部
-
光本 孝次
帯広畜産大学
-
庄武 孝義
帯広畜産大学
-
庄武 孝義
Primate Research Institute, Kyoto University
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