生産水準の異なる乳牛群における繁殖成績に対する産乳量の影響

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繁殖成績に対する産乳量の影響を乳牛群の生産水準を考慮して検討した。帯広市農業共済組合人工授精記録簿より1979年1月から12月までに初回授精を行い,かつ,北海道乳牛検定協会の正常記録を有するホルスタイン種乳牛38群465記録を使用した。繁殖成績としては,受胎所要授精回数(授精回数),分娩から初回授精までの日数(分娩後日数),初回授精から受胎までの日数(授精期間),空胎日数および分娩間隔を用いた。また,産乳量として,分娩後6か月までの乳脂補正乳量(FCM)を用いた。生産水準による乳牛群の分類は,年平均1頭当り乳量(年間総乳量/月平均検定頭数)に基づいて行い,3つの生産グループ(8,000kg以上…生産グループ1,7,000kg台…生産グループ2,7,000kg未満…生産グループ3)に大別した。FCMの平均値は生産グループ間で有意差(P<0.01)を示したが,繁殖成績に関して統計的有意差は認められなかった。全記録を用いた場合,分娩後日数,空胎日数および分娩間隔とFCMとの間に小さいが正の相関係数(P<0.01)が推定された。生産グループ内の分析では,生産グループ2においてすべての繁殖成績とFCMとの間に有意な正の相関関係(P<0.01,0.05)が推定された。分散分析の結果,繁殖成績のFCMに対する回帰は,生産グループ間で異なり,ゼロから有意に異なる正の偏回帰係数は,ほとんど生産グループ2において推定された。これらの結果は,適切な飼養管理が繁殖成績と産乳量との拮抗関係を克服できる可能性を示唆した。
帯広畜産大学の論文
1985-06-25

生産水準の異なる乳牛群における繁殖成績に対する産乳量の影響

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