大きさの異なる卵胞から採取されたウシ卵母細胞の体外成熟に関する研究

概要

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4種の大きさの異なる卵胞(A:≦5mm,B:6-10mm,C:11-15mm,D:16-20mm)から採取されたウシ卵母細胞(卵胞卵子)の体外成熟について検討した。使用した培養液はTCM199,ウシ血清アルブミン(4mg/ml)および抗生物質を含んだものである(pH.7.1)。卵胞より採取した卵子の内,卵丘細胞塊を有するもの5〜10個を1mlの培養液が入っている小試験管に入れ,5% in airを封入,密栓後3時間毎の間隔で36時間まで培養した。培養終了後,常法により固定・染色を行ない,位相差顕微鏡下で成熟分裂の段階を調べた。卵胞Aから採取された卵子は培養18時間で,卵胞Bから採取された卵子は培養12時間で各々第2成熟分裂の中期に達した。一方,卵胞CとDから採取された卵子は培養前,または9時間までの短時間培養でも第2成熟分裂の中期に達しているものが観察された。このことから,大きな卵胞から採取された卵子は小さな卵胞から採取されたものより早く第2成熟分裂中期に達することが示唆されるが,正確な時間については明らかにできなかった。また,培養18-36時間までの卵子成熟率を分散分析(7×4)で検討したところ,第2成熟分裂に達した卵子の割合は卵胞の大きさには影響されず,培養時間において有意差(P<0.001)が認められた。そして,30時間の培養がウシ卵母細胞の体外成熟に最適であると考えられた。
帯広畜産大学の論文
1985-11-20

大きさの異なる卵胞から採取されたウシ卵母細胞の体外成熟に関する研究

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