乳牛の卵胞嚢腫に関する研究 : I.卵胞嚢腫牛における副腎皮質機能,血中性スロイド値並びに血清蛋白像について

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卵胞嚢腫牛の副腎皮質機能,血中性ステロイド値並びた血清蛋白像を明らかにするため,臨床上卵胞嚢腫と診断された112例と正常性周期を回帰している健康牛54頭について,血中11-hydroxycorticosteroids (11-OHCS),progesterone(P),estrone(E_1),estradiol-17β(E_2),estriol(E_3)並びに血清蛋白質の測定を行うとともにACTH負荷試験を実施した。1.卵胞嚢腫牛は外部徴候により,下記の3型7群に区分された。I思牡狂および持続性発情型i)定型的思牡狂群(5頭)ii)持続性発情群(25頭)II不規則発情型i)不規則発情群(23頭)ii)規則発情群(15頭)iii)分娩後初回発情群(5頭)III無発情型i)分娩後無発情群(22頭)ii)発情・授精後無発情群(17頭)2.血中11-OHCSのACTHに対する反応性(副腎皮質予備能)は,正常性周期の対照牛に比らべ卵胞嚢腫牛では低下していた(P≦0.05)。また副腎皮質予備能は3型間で異なり,無発情型で最も高く,思牡狂および持続性発情型がこれにつぎ,不規則発情型では最低であった(P≦0.05)。3.血中性ステロイド値も3型間で異なっていた。すなわち,P値は,対照牛の発情期に比らべ,定型的思牡狂群では低かったが,持続性発情型および不規則発情型の発情期のものではほとんど差がなく,不規則発情型の非発情期のものおよび無発情型では高かった。E_2値は対照牛の発情期に比らべ,思牡狂および持続性発情型並びに不規則発情型の発情期のもので高かったが,不規則発情型の非発情期のものおよび無発情型ではほとんど差がなかった。これらの結果から,思牡狂症状および持続性発情は高E_2,低P値,無発情は低E_2,高P値,そして不規則発情は低P,高E_2値と相対的な高P,低E_2値の繰り返しであることがわかった。4.血清総蛋白およびγ-globulin値は対照牛に比らべ高かった(P≦0.05)が,3型間に差はなかった。
帯広畜産大学の論文
1975-10-10

乳牛の卵胞嚢腫に関する研究 : I.卵胞嚢腫牛における副腎皮質機能,血中性スロイド値並びに血清蛋白像について

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