PGF_2α-Tham塩による乳牛の発情誘発と末梢血中エストロンジェンならびにプロジェステロンの変化について

概要

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14頭の経産ならびに未経産乳牛の黄体期にPGF_2α-Tham塩を筋肉内,子宮内ならびに卵巣実質内に投与し,発情,排卵が誘発されるか否かを検討した。一部のウシについては,末梢血中のプロジェステロンとエストロジェンをRIA法で測定した。1.PG25mgを筋注した2頭では3日後に発情,排卵があった。2.PG5mgを子宮内に投与した7頭のうち4頭は,3〜5日後に発情,排卵した。3.PG1mgを卵巣実質内に注射した2頭のうち1頭は3〜5日後に発情したが,他の1頭は8日以降になっても発情,排卵は見られなかった。4.対照として蒸溜水のみを子宮内注入および卵巣実質内に投与した3頭中,子宮内注入の1頭のみ3〜5日後に発情,排卵が認められた。5.PGに反応を示したウシでは,急激な卵巣黄体の退行に一致して血中エストロジェンの増加とプロジェステロンの減少が見られた。以上のことから,ウシにあっては黄体期にPGを投与すると,性周期が短縮し,発情,排卵の起こることがわかった。
帯広畜産大学の論文
1977-11-25