乳汁中コーチゾール値を指標とするウシの副賢皮質予備能検査について

概要

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ウシの副腎皮質予備能は,ACTH負荷後の血中コーチゾール(以下コーチゾールをFKと記述する)値の上昇率によって判定されてきた。しかし血中F_K値は,小さな刺激によって変動しやすいこと,また検査手技が煩雑であることから,日常の臨床検査項目の1つに加えられるまでには至っていない。そこで著者らは,これに代わる検査法として乳汁中FK値を指標とする副腎皮質予備能検査法について検討を加えた。臨床的に健康と認められた乳牛20頭を2群に分け,1群にはACTH 0.25mgを,他の群にはACTH-Z1mgを投与した。血液はACTH投与前,30分後および4時間後に尾静脈から,また,乳汁はACTH投与前,12時間後,24時間後に採取した。血中および乳汁中F_K値はラジオイムノアッセイ法により測定した。その結果ACTH-Z投与群における4時間後の血中F_K値(4時間値-30分値)と乳汁中F_K値上昇倍率(12時間値/前値)の間に相関関係(r=0.80)がみられた。以上の結果から,乳汁中F_K値を指標とする副腎皮質予備能検査法は,血中F_K値を指標とする検査方法に代わり得るものと判断された。
帯広畜産大学の論文
1984-06-25