妊娠馬尿中エストロゲンの簡易測定法について

概要

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神戸川はAmberlite XAD-2を用い,尿中結合型エストロゲンの簡易測定法を報告した(以下E_3-Kitと略記)。今回著者らはこの方法による妊娠馬尿中エストロゲンの測定を試みた。材料ならびに方法:材料は農林省十勝種畜牧場繋養中の雌馬で1972年4月15日から5月19日までに妊娠した11頭と非妊娠の1頭,合計12頭の尿である。尿の採取は最終授精日後80日目より約30日毎尿道カテールにより行なった。さらにエストロゲン排泄の日内変動を調べるため,2頭について3時間毎24時間尿の採取を行なった。尿中エストロゲン定量はE_3-Kit法と神戸川F法に従って行なった。結果:1.E_3-Kit法による妊娠尿中エストロゲン測定は最終授精後100日から300日の間で可能であった。2.E_3-Kit法は操作が簡単で,妊娠の経過に伴う尿中エストロゲン値の変化は神戸川F法と一致した傾向が認められた。3.妊娠馬尿中エストロゲン値の個体間日内変動は,午前7時が最少であった。4.妊娠経過に伴う尿中エストロゲン値は,最終授精後140〜180日に最高を示し,240日目から減少の傾向が認められた。結論:E_3-Kit法による妊娠馬尿中エストロゲン測定は妊娠100〜300日の間で可能であり,母体-胎児-胎盤機能の一つの指標として,今後大きな役割りをはたしうると考える。
帯広畜産大学の論文
1975-06-10

妊娠馬尿中エストロゲンの簡易測定法について

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