上士幌町居辺総合開拓地区内の6戸の農家における乳牛の繁殖成績と飼養環境の関連性に関する調査

概要

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上士幌町居辺総合開拓地区内の農家6戸を選び,過去4年間における乳牛の生産効果から,これを上,中,下3階級に区分し,乳牛の飼育環境並びに飼育管理などを比較検討した結果,次の結論を得た。1)牛舎内温度は冬期間午後10時より早朝にかけ0℃以下,相対湿度は100%を越えることが少なくなかった。2)乳牛の生産効果は全般的に不良で,6戸の平均は54.4%であった。3)全般的に繁殖成績が非常に悪く,中でも夏期にくらべ冬期の受胎成績の低さがはっきりと指摘された。4)生産効果,受胎成績を左右していたのは決して一つの条件ではなく,給与粗飼料,運動・日光浴,乳牛の飼養経験年数等がいろいろ組み合せられて作用していたが,今回特に注目されたのは冬期における運動・日光浴の良否と生産効果との関連性で,けい牧に比し,自由運動には大きな利点が認められた。おわりに,今回の調査にあたり適切な示唆を戴いた本学上田教授,種々御好配を戴いた上士幌町役場,農業共済組合,農業協同組合に深謝するとともに,御協力を戴いた生産者各位に感謝する。なお本研究の一部は昭和38年度北海道科学研究費補助によって実施したものである。
帯広畜産大学の論文
1965-03-25