トマト果実のβ-フラクトフラノシダーゼの精製とその性質について

概要

論文の詳細を見る
熟したトマト果実の果肉から調整された細胞壁にはDEAEセルローズによるクロマトグラフィーにより溶出速度の異なる,2つのβ-フラクトフラノシダーゼ(β-FFase)の存在が確認された。遅れて溶出されるβ-FFase LをDEAE-Sephadex A-50によるクロマトグラフィー,硫安塩析及びSephadex G-200によるゲルロ過により電気泳動的及び超遠心的にほぼ均一な標品とした.精製β-FFase Lは約4%の糖を含んでおり,最適pHはショ糖に対して4.7.ラフィーズに対しては5.7であった.β-FFase Lのショ糖に対するKm値はpH5.7で4×10^<-3>M, pH4.7で6.9×10^<-3>Mであった.pH3.5では1/v vs 1/s は大きく直線からずれた.ラフィノーズに対するKm値はpH 5.7で1.51×10^<-2>M, pH4.7で2.38×10^<-2>Mであった.此の酵素活性はパラクロロマーキュリベンゾエイト(6×10^<-5>M)で75%,硝酸銀(1×10^<-4>M)で90%,硫酸銅(1×10^<-4>M)で約40%阻害された.
千葉大学の論文
1970-12-31