モモ缶詰の品質に関する研究 : I.アントシアンの紫変現象防止について
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概要
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クワの実から分離したクリサンテミンの溶液に各種化合物を作用させて,7日間貯蔵し,その間520mμにおける吸光度を測定し,その分解に対する影響をしらべた結果,1.アスコルビン酸,イソアスコルビン酸は色素を顕著に分解する.2.しよ糖はこれらによる分解を一時的に抑制する.3.すずは作用後直ちに反応するが,貯蔵中はほとんど変化を来たさない.4.ポリりん酸塩はキレートの生成を多少抑制する.5.pH2〜5で色素液の吸光度の急激な低下がみられるが,30℃で8日間貯蔵したものでは,急激な低下はpH2〜3で認められる.また,モモの缶詰を作成し,その際これらの化合物を加えてその影響を観察した結果,アスコルビン酸,イソアスコルビン酸を加えたものは,紫変現象を完全に防止し,シラップの状態,風味に対しても,好結果をもたらした.
- 1966-12-31
著者
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