光第2次高調波発生法による有機FETチャネル部分のポテンシャル観察(機能性有機薄膜・一般)

概要

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近年、移動度の大きな有機材料が見出されたことを背景として有機材料を用いた電子デバイスに関する研究が活発化している。実際の素子応用ではデバイス機構などの基礎的な研究も重要になるが、現在無機半導体の理論がそのまま流用され、有機物の物理を活かしたモデル化はなされていない。測定方法から見ても同様で、より有機物の性質を反映したものが望まれている。そこで今回我々は、光第2次高調波発生法(SHG)を用いてFET動作機構の検討を試みた。SHG測定としては、ペンタセンFETのチャネル部分からの信号を観測した。測定中、外部からソースードレイン間、およびゲート電圧を印加してSHG強度の変化を観測した。まず、ソースードレイン間電圧を印加に伴い、SHG強度の増大が確認できた。ここで確認されたSHGは静電場誘起の信号である。このFETにゲート電圧を印加するとSHG強度が大きく減少することが確認された。この変化はFETのon/off比に対して敏感で、on/off比が悪いサンプルでは、SHGの強度変化は確認できなかった。このことは、サンプルの状態を判断するための手法としても、このSHGが有効であることを示唆している。
社団法人電子情報通信学会の論文
2005-11-17