情動的反射による恐怖条件付け誘発超音波の発声(動物行動学)
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概要
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ラットを恐怖ストレス条件下に置くとすくみ行動と並行して20kHz〜30kHzの超音波が観察される.慢性的ストレスに対する反応は,動物による対処の仕方により能動的な反応及び受動的な反応に分類できるとされている.そこで本研究では,ラットの恐怖誘発超音波発声について,いずれの反応であるかを調べることを目的に2種のフットショックによる恐怖条件付けを用いて実験を行った.Wistar系雄ラットを用い,恐怖条件付け過程において超音波を発声することでショックが回避できる群(回避可能群)と不可能な群(回避不可能群)に分けた.両群ともショック負荷による文脈的条件付けを10日間行い,超音波発声量及び行動変化を観察した.条件付け成立後,ショック負荷を与えない条件付けの消去過程をさらに10日間経験させた.その結果,条件付け過程および消去過程において回避不可能群が回避可能群よりも超音波発声量の高値を示した.行動変化ではすくみ行動発現時間において回避不可能群が可能群群と比較し高値を示した.また能動的条件付けの消去過程で観察される消去バーストは両群において観察されなかった.以上本研究の結果から,回避不可能群において,強いストレスが負荷された結果超音波をより強く発声したことが明らかとなり,ラットにおける恐怖誘発超音波はオペラント様に学習されるものでなく,むしろストレスに対する受動的反応である可能性が示された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2003-12-25
著者
-
菊水 健史
麻布大学・獣医・伴侶動物
-
森 裕司
東大・院農学生命・動物行動
-
菊水 健史
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医動物行動学研究室
-
武内 ゆかり
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医動物行動学研究室
-
森 裕司
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医動物行動学研究室
-
西澤 大輔
東京大学大学院農学生命科学研究科応用動物科学専攻獣医動物行動学研究室
-
森 裕司
京都大学霊長類研究所
-
森 裕司
東工大
-
森 裕司
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
森 裕司
岐阜大学 農
-
武内 ゆかり
東大・動物行動
-
武内 ゆかり
東大・院農・生命科学動物行動
-
武内 ゆかり
岐阜大学 農
-
武内 ゆかり
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
森 裕司
東京大学農学部
-
菊水 健史
東京大学大学院農学生命科学研究科
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