アンケートを併用した隔離試験によるウマの不安傾向の評価(動物行動学)
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概要
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ウマの不安傾向を理解することは,騎乗者にとっても獣医師にとっても重要である.本研究では,被験馬をよく知る管理者が気質評価アンケートに回答することで得られた不安傾向スコアと,行動実験から得られた結果とを比較し,不安傾向と関連が深い行動指標を探索した.各馬を新奇環境に導入後,ビニール紐を介して壁に繋留し,管理者が傍にいる状態で2分間観察したのち管理者が離れウマ単独の状態で更に2分間観察した.その結果,単独にされることで多くの観察データが変化したが,アンケート調査により不安傾向が高いと評価された個体ほど,心拍反応が高くビニール紐切断までの潜時は短かった.こうした傾向はメスでより顕著に観察された.以上のことから,新奇環境に単独でおかれた際の心拍数と切断潜時は不安傾向の指標として有効であることが示された.また行動実験と気質評価を組み合わせることで,他の気質項目についてもより信頼性の高い評価を行える可能性が示された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2007-09-25
著者
-
菊水 健史
麻布大学・獣医・伴侶動物
-
菊水 健史
東京大学 大学院農学生命科学研究科獣医動物行動学研究室
-
菊水 健史
三共(株)神経科学研究所
-
森 裕司
東大・院農学生命・動物行動
-
菊水 健史
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医動物行動学研究室
-
武内 ゆかり
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医動物行動学研究室
-
森 裕司
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医動物行動学研究室
-
桃沢 幸秀
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医動物行動学研究室
-
寺田 節
日本獣医生命科学大学比較動物医学教室
-
佐藤 文夫
日本中央競馬会競走馬総合研究所生命科学研究室
-
楠瀬 良
日本中央競馬会競走馬総合研究所生命科学研究室
-
森 裕司
京都大学霊長類研究所
-
森 裕司
東工大
-
森 裕司
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
森 裕司
岐阜大学 農
-
武内 ゆかり
東大・動物行動
-
武内 ゆかり
東大・院農・生命科学動物行動
-
武内 ゆかり
岐阜大学 農
-
武内 ゆかり
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
武内 ゆかり
東京大学 大学院 農学生命科学研究科 獣医動物行動学 研究室
-
佐藤 文夫
日本中央競馬会 競走馬総研
-
森 裕司
東京大学 農生命科研究
-
森 裕司
東京大学農学部
-
菊水 健史
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
楠瀬 良
日本中央競馬会競走馬総合研究所
-
武内 よかり
東京大学農学生命科学研究科獣医動物行動学研究室
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