ラット不安誘発超音波発声の消去過程におよぼす薬物の影響
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概要
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不安条件付けされた超音波発声反応の消去過程とそれに及ぼす中枢作用薬の影響を検討した.実験箱内で微弱電撃ショックを繰り返し与えたところ,10セッション後にラットは箱に提示されるだけで超音波を発声し,いわゆる文脈的条件付けが成立した.次に消去過程を観察する目的で,条件付けが成立したラットをショックを与えることなく箱に繰り返し提示すると,超音波発声量は一時的に上昇し消去バーストが観察されたが,その後次第に低下した.ペンゾジアゼピンGABAアゴニストのDiazepam(DZP)1.0mg/kgあるいは三環系抗うつ薬のClomiplamine(CLM)20mg/kgの反復投与により,消去パーストは抑制された.CLM投与群では消去にかかる日数が減少したが,DZP投与群ではこの効果はみられなかった.また両投与群ともに,消去が成立した時点で投薬を中止したところ,超音波発声量が上昇する退薬症候が観察された.これらの結果より,CLMは退薬兆候に留意して用いる限り,不安関連行動の軽減に有効であることが示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2001-06-25
著者
-
菊水 健史
麻布大学・獣医・伴侶動物
-
菊水 健史
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医動物行動学研究室
-
武内 ゆかり
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医動物行動学研究室
-
森 裕司
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医動物行動学研究室
-
森 裕司
京都大学霊長類研究所
-
森 裕司
東工大
-
森 裕司
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
武内 ゆかり
東大・動物行動
-
武内 ゆかり
東大・院農・生命科学動物行動
-
武内 ゆかり
岐阜大学 農
-
武内 ゆかり
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
菊水 健史
東京大学大学院農学生命科学研究科
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