脳室造影法を組み入れたシバヤギ用脳定位手術法の開発
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
シバヤギは実験動物として, 特に反芻動物のモデルとして種々の生理的実験に供試されている. これらの研究の進展にともない, 中枢神経系, 特に視床下部への神経内分泌学的アプローチの必要性が増大してきた. 目標とする視床下部神経核に正しくアプローチするために, シバヤギ用脳定位固定装置を開発し, 精度の高い標準脳定位地図を作成した. さらに脳室と視床下部神経核との相対的位置関係を矢状投影図として再構成し, 脳室造影法を組み入れた脳定位手術法の基礎的手法を確立した. 4頭のシバヤギを供試して脳室造影後に組織切片を作製し, いくつかの神経核について脳室との位置関係を解析したところ, その位置関係はほぼ一定で個体差は少ないことが判明し, 脳定位手術の高い再現性が示唆された. さらに1頭のシバヤギを供試し, 実際にこの手法を用いて視床下部の3部位および側脳室内にカニューラを慢性的に留置し, 本手術の実用性について検討した. その結果, 精度の高いアプローチが可能であり, さらにカニューラを長期間留置して動物の生理状態に重大な影響を与えることなく実験を行えることが判明した.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1990-04-15
著者
-
林 [シン]治
東京都神経研・解剖発生
-
武内 ゆかり
東大・動物行動
-
武内 ゆかり
東大・院農・生命科学動物行動
-
武内 ゆかり
岐阜大学 農
-
林 治
東京都神経科学総合研究所解剖発生
-
森 裕司
東京農工大学家畜臨床繁殖学教室
-
星野 邦夫
東京農工大学家畜臨床繁殖学教室
-
武内 ゆかり
東京農工大学家畜臨床繁殖学教室
-
島田 正浩
東京農工大学家畜臨床繁殖学教室
関連論文
- 出生直後にエストロゲンを投与されたラット子宮におけるエストロゲン受容体(内分泌学)
- 犬のGAD遺伝子における多型の同定およびその多様性(動物行動学)
- S1-3 ラットにおける警報フェロモン(シンポジウム1 若手研究者による"味と匂"研究のトピックス,2007年度日本味と匂学会第41回大会)
- アンケートを併用した隔離試験によるウマの不安傾向の評価(動物行動学)
- P2-33 マウスにおける社会的親和・回避行動に関する研究(日本動物心理学会第66回大会発表要旨)
- P2-29 ICRマウス雌雄における仔マウス超音波に対する反応性の相違(日本動物心理学会第66回大会発表要旨)
- P1-06 ICRマウスにおける新奇環境下での行動及び内分泌反応の雌雄差検討(日本動物心理学会第66回大会発表要旨)
- OA-09 ラットにおける早期離乳による社会的遊び行動の減少と不安傾向の増大(日本動物心理学会第66回大会発表要旨)
- ウマのセロトニントランスポーター遺伝子の多型同定,RHマッピング,不安傾向との関連解析(短報)(動物行動学)
- 犬のグルタミン酸トランスポーター1の遺伝子多型および5犬種における多様性(動物行動学)
- P-28 マウスにおける社会的親和・回避行動に関する研究(日本動物心理学会第65回大会発表要旨)
- 犬のチロシン水酸化酵素遺伝子およびドーパミンβ水酸化酵素遺伝子 : その塩基配列, 遺伝子多型, および5犬種における多様性(動物行動学)
- 犬のモノアミン酸化酵素B遺伝子におけるシステインへからアルギニンのアミノ酸置換を伴う一塩基多型の同定(短報)(動物行動学)
- 犬のセロトニン受容体(1B,2Aおよび2C)遺伝子の塩基配列決定と1B遺伝子に認められた : 塩基多型の犬種差(動物行動学)
- 犬のカテコールO-メチル基転移酵素遺伝子において認められた一塩基多型の犬種差(動物行動学)
- 攻撃行動発現に初生期環境が与える影響(動物行動学)
- 情動的反射による恐怖条件付け誘発超音波の発声(動物行動学)
- IP035 スナネズミのにおいによる個体識別行動
- P-104 ウシ・ヤギ・ヒツジ間におけるV1Rの類似性について(ポスターセッション,2008年度日本味と匂学会第42回大会)
- 23犬種におけるドーパミン受容体エキソンIIIおよびI領域の対立遺伝子頻度分布(動物行動学)
- P-1-9 早期離乳によるラットの成長後不安行動への影響
- 犬のモノアミンオキシダーゼAとB(MAOA, MAOB)cDNAのクローニングと脳におけるmRNAの発現解析(動物行動学)
- 猫の尿マーキングに対する猫頬腺由来フェロモン様物質噴霧剤の治療効果
- P-117 偶蹄類における2つの嗅覚系と1型鋤鼻受容体(ポスターセッション,2009年度日本味と匂学会第43回大会)
- ペット(イヌやネコ)に精神疾患はあるか (特集 動物に精神医学はあるか)
- 身近な動物から学ぶ気質の遺伝的背景 (特集 行動は遺伝子で決まるのか)
- 日本における56犬種の行動特性の解析 : 米英国における調査との比較(動物行動学)
- 伴侶動物の問題行動とその治療 (特集 動物に精神疾患はあるか?)
- 老齢イヌの行動障害へのγ-アミノ酪酸の効果(動物行動学)
- IP031 早期離乳によるラットの不安行動増強
- IP030 マウスの泌乳期末期経験が成長後の母性行動に及ぼす影響
- IP024 不安状態と攻撃行動発現との関連
- IP023 ストレス緩衝作用に与えるパートナー恐怖状態の影響
- 異なる温度のα-ピネンがストレス性体温上昇に及ぼす影響の解析(動物行動学)
- 4-エチルオクタン酸由来の化合物にはヤギで「雄効果」を引き起こすプライマーフェロモン活性が存在する(動物行動学)
- ラット不安誘発超音波発声の消去過程におよぼす薬物の影響
- ジヒドロテストステロンによる雄ヤギプライマーフェロモンの産出誘導(短報)
- 糞中DNA解析によるニホンジカの個体識別(個体群動態学)
- 糞中ステロイドホルモン測定によるニホンジカの繁殖状態の比較(短報)
- 雄シバヤギ皮脂腺におけるフェロモン産生能の部位特異性
- アメロゲニン遺伝子を指標にした糞中DNA解析によるニホンジカの雌雄判別(短報)
- シバヤギ雄性フェロモンの神経行動学的解析
- シバヤギ視床下部におけるCRF, AVP, OXY免疫陽性細胞の分布様式
- メラトニンを投与された非繁殖期雌ヒツジにおける血漿メラトニンの日周期変化と繁殖活動開始のタイミング
- メラトニンによるヒツジ季節外繁殖の誘起および雄存在の影響
- 脳室造影法を組み入れたシバヤギ用脳定位手術法の開発
- シバヤギにおけるPasteurella haemolytica感染による肺炎の発生 (短報)
- リポポリサッカライド投与によるシバヤギ視床下部GnRHパルスジェネレータの抑制
- リポ多糖の投与により誘起されたヤギにおける病態生理学的変化(短報)
- エンドトキシン投与により誘起されたシバヤギにおける病態行動
- 哺乳類の脳と匂い (小特集 動物の脳と匂い)
- シバヤギにおける能動的および受動的性行動とLHサージの時間的関係
- 軟X線を利用した, 新生ラットの脳内手術法-脳内地図作成の試み(生物学)
- ゴナドトロピン分泌の性分化(シンポジウム 脳の性的二型性 : 雄の脳は雌の脳とちがうのか?)
- ホルモンによる哺乳類中枢の性分化(シンポジウム ホルモン作用の不可逆性)