メラトニンによるヒツジ季節外繁殖の誘起および雄存在の影響
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概要
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非繁殖期にあって卵巣活動を停止している雌ヒツジ20頭を無作為に4群に分け, メラトニン処置(MEL)および雄の存在(RAM)の及ほす影響について解析した. A, B群にはメラトニン封入カプセルを皮下に埋め込み実験期間を通じて血中メラトニン濃度を暗期の分泌相に匹敵する高レベルに維持した. C, D群は無処置とした. メラトニン処置は4月18日(Day 0)に開始し, 同日よりA, C群には雄を同居させた. 各群の卵巣機能を調べるためDay52-64(6月)の期間における血中プロジェステロン濃度の推移を調べたところ, 機能黄体の存在がA群(MEL+RAM)5/5頭, B群(MELのみ)5/5頭, C群(RAMのみ)1/5頭, D群(対照群)0/5頭に認められた. またDay105(8月)に超音波法による妊娠診断を行ったところA群の全頭で妊娠が確認されたのに対し, C群はいずれも陰性であった. 以上の成績より, 非繁殖期の中期(4-6月)においては, 雄の存在が性腺機能に及ぼす影響はほとんど無く, メラトニン処置を行うことによってはじめて雌ヒツジに季節外の繁殖活動を誘起しうることが明らかとなった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1990-08-15
著者
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