ヤギ末梢血中メラトニン濃度の日周変化と暗期または明期中断の効果

概要

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季節繁殖性とメラトニン分泌との関係を調べるためのモデルとして, 季節繁殖性を示すザーネン種のヤギと周年繁殖性を示すシバヤギを用い, 繁殖季節における血中メラトニンの日周変化, ならびに夜間における2時間の明期および昼間における2時間の暗期が末梢血中メラトニン濃度に及ぼす影響について比較検討した。末梢血中メラトニン濃度は両品種ともに他の補乳動物と同様, 夜間に高く昼間に低く, 明らかな日周変化を示した。夜間に高濃度となった血中メラトニンは2時間の光暴露により急激に減少し, 暴露期間中, 低濃度が維持された。しかし, 昼間における2時間の暗期には, 血中メラトニンに変化はなく, 低濃度を維持した。またメラトニンの日周変化のパターン及び濃度, ならびに暗期中断, 明期中断に対する反応性は, 2品種間で明らかな差は認められなかった。以上の成績から, これら2品種のヤギにおいては, メラトニン分泌の日周変化にほ内的リズムが関与しており, 光刺激は常に抑制的に働くことが示唆された。
社団法人日本獣医学会の論文
1984-12-15