東大牧場ホルスタイン種牛群のエネルギー粗効率と簡易指数について

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わが国の集約な酪農経営において乳牛の飼料利用性は今後における重要な選抜対象形質の一つであると考えられる.その選抜に資するため,東大牧場に繋養されたホルスタイン種牛群について,体格,産乳量,飼料摂取量ならびにこれらより算出されるエネルギー粗効率と飼料利用性を示す簡易指数について5産次まで産次別および1•2•3産次平均値について延べ75泌乳期の成績を検討した.(1) 飼料利用性を示す諸指数の3産平均値はGEE 25.9%, M/W 8.7, FCM/W 8.0, FCM/H 29.8,FCM/G 21.6,新指数FCM/K(=[FCM/2(6W+FCM)]×100)28.3%であった.(2) 体格,産乳量とも産次の進むにつれ増大するが,飼料利用性を示す諸指数は3産次までは上昇するが顕著ではなく,4産次,5産次では3産次と同等もしくは僅かに低くなった.(3) GEEの代用としての簡易指数の適否をGEEとの相関から検討すると,いずれも有意の高い正相関を示し代用可能であるが,相関係数でFCM/Kが最も高く,次いでFCM/Wであり,変動係数もGEEのそれに近似しており,計算も簡単なのでFCM/Kが最も優れているといえよう.(4) 体格,FCM,飼料利用性の関係は,FCM:体格の相関が0.2〜0.3,FCM:飼料利用性の指数の相関は0.7〜0.8であったが,飼料利用性の指数:体格の相関は-0.3と負の関係にあり,FCMを一定とした偏相関では-0.8〜-0.9となった.したがって飼料利用性からは小型の牛が有利であるが,絶対的な生産量が低く,一般に中型の牛が無難といえよう.また後躯とくに〓瞳幅/体高比はFCM,飼料利用性の諸指数と正の相関があり,産肉量からみても後躯が相対的に大きいのは望ましいことであろう.(5) 泌乳期中の毎月平均での日乳量,GEEの変化は,ともに直線的に低下するが,低下の程度はGEEで急であった.部分記録による全期間の平均値の推定には相関からみて両形質とも7ヵ月目の値が最も適している.

東大牧場ホルスタイン種牛群のエネルギー粗効率と簡易指数について

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