サツマイモ塊根澱粉におけるアミロース含量の品種・系統間および収集地域間差異

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サツマイモ塊根澱粉のアミロース含量の品種・系統間差異を明らかにするために, 世界各地から収集した812品種・系統を供試し, 簡易化したヨウ素呈色法による粗澱粉中アミロース含量を測定した.22品種・系統については2年にわたって, 澱粉含量と精製澱粉中アミロース含量を測定した.澱粉含量は2年の平均で9.3〜28.8%, アミロース含量は平均で11.2〜15.3%であった.二元配置分散分析の結果, 澱粉含量は品種間で, アミロース含量は品種間と年次間で, それぞれ1%水準の有意差がみられた.年次間の相関係数は, 澱粉含量が0.844,アミロース含量は0.820となり, 両者は同程度の年次相関を示した.また澱粉含量とアミロース含量との間には, 2年ともに有意な相関はみられなかった.812品種・系統における澱粉含量は3.2〜33.1%で, 平均は17.8%であった.また812品種・系統における粗澱粉中アミロース含量は8.9〜16.1%で, 平均は12.6%であった.収集地域別では沖縄が最も範囲が大きく, 低アミロース系統が多かった.沖縄のなかでは宮古列島が最も変異が大きく, 低アミロース系統が多かった.またインドネシアは高アミロース系統が多く, 全般に分布が高い方に偏っていた.以上のことから, サツマイモのアミロース含量には品種・系統間差異がみられるだけでなく, 収集地域間差異もみられることが明らかとなり, 育種によりサツマイモのアミロース含量を遺伝的に改変することが可能であると考えられた.
1998-12-01

サツマイモ塊根澱粉におけるアミロース含量の品種・系統間および収集地域間差異

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