学習困難児の類型化に関する予備的研究
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概要
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本研究の目的は,認知的,情意的,運動的徴候に基づいて学習困難児の類型化を行うことであった。127人の小学校の学級担任教師が455人の学習困難児及び普通児について,5段階尺度法を用いてこれらの徴候について評定を行った。評定値の因子分析によって,(1)自己制御,(2)動作性,(3)認知技能,(4)情緒安定性の4因子が抽出された。全ての因子について学習困難児の方が普通児より低い得点を示したが,4因子の相対的レベルの比較から学習困難児を類型化するための基準が作られた。さらに,自己制御と動作性の両因子は自己評価尺度(自己効力,学習の仕方,達成動機,努力帰属)と正の相関を示した。The purpose of present study was to classify learning,difficult children on the basis of cognitive,affective and psyco-motor symptoms.Classroom teachers were asked to rate symptoms using five point scales with 455 learning difficult(LD)and normal(N)elementary school children.A factor analysis on the rating scores revealed four factor structure;(1)self reguration,(2)motor skill,(3)cognitive skill,(4)emotional factors.Lower scores of all factors were revealed in LD children than N children,and the comparison of relative level within four factors made the criterion to classify LD children.Fathermore,both self regulation and motor skill factors were positively related to level of self evaluative scales;self-efficacy,perceived learning skill,achievement motive and effort attribution.
- 大阪教育大学の論文
著者
-
北尾 倫彦
大阪教育大学
-
岡本 真彦
大阪教育大学心理学教室
-
西出 幸代
大阪教育大学心理学教室
-
荒木 理江
大阪教育大学心理学教室
-
岩下 美穂
大阪教育大学心理学教室
-
松井 恵子
大阪教育大学心理学教室
-
三輪 訓子
大阪教育大学心理学教室
-
筒井 寿夫
大阪教育大学教育学教室
-
岡本 真彦
大阪府立大学
-
岡本 真彦
大阪教育大学教育学研究科
-
岡本 真彦
大阪教育大学
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