幼児・児童の感情表現における音響的分析 :「ぴかちゅう」にこめられた感性情報
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概要
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本研究では音声による感情表現の発達的変化を解折した。3 ∼ 10歳の幼児・児童46名から、喜び、悲しみ、怒り、驚き、平静の5感情を「ピカチュウ」という単語音声で表現した音声を録音した。それらの内から、10名の成人聴取者による感情同定結果と話者の意図した感情が100%一致した132発話を選択して、基本周波数や時間構造を分析した。その結果、感情の主効果は多くのパラメータで有意であったものの、年齢の主効果は基本周波数と少数の時間的特性においてのみ有意であった。成人話者による感情表現と共通の音響的特性も多い反面、「怒り」などでは成人と異なる傾向も観測された。これらの結果は音声による感情表現の多くの特性がこの年代にすでに完成しているものの、感情によってはなお発達・変化していることを示唆している。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1999-10-28
著者
-
櫻庭 京子
東京医薬専門学校
-
今泉 敏
東京大学
-
筧 一彦
名古屋大学人間情報学研究科
-
筧 一彦
中京大学情報理工学部
-
櫻庭 京子
名古屋大学
-
筧 一彦
名古屋大学大学院情報科学研究科
-
筧 一産
名古屋大学大学院人間情報学研究科
-
筧 一彦
名古屋大学
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