感性情報に曖昧さがある場合の音声の心理的評価とその物理的特性(聴覚,音声,言語とその障害)

概要

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これまで感情を持った音声の韻律的特徴を調べる研究は盛んに行われてきた。しかし、知覚面からの研究は、刺激作成の困難さからあまり行われていない。そこで、本研究ではSTRAIGHTをベースとした音声モーフィング法を用いて刺激作成を行い、作成した刺激の自然性、刺激対の異同判断、感情価の絶対評価を行い、知覚面からの検討を行った。実験の結果、自然性に関しては単語の種類によるばらつきは見られるものの、平均的には大きな自然性の劣化はみられなかった。刺激対の異同判断では、モーフィング率0.07と0.14の間隔同士の比較をさせたが、全体的に異なると判断された比率が低いことから、モーフィング率0.14はjnd以下であることが分かった。感情価の絶対評価では、評定値がモーフィング率に従って単調に減少していることから、本モーフィング法により感情音声の心理連続体が構成されていることが分かった。また、異同判断と絶対評価の関係から感情音声の知覚はカテゴリー的でないことが分かった。
社団法人電子情報通信学会の論文
2003-03-20